露隠月 2019
秋桜ならばコスモスですが、秋の桜となると話は違ってきます。
この秋から冬(または春)にかけて咲く桜を冬桜とも言ったりしますね。
ワタクシなどはこの時期に咲くのは十月桜くらいしか知らなかったものですから、十月桜の別名が冬桜なのかな、程度の認識でした。
冬桜とは、この時期に咲く桜の総称のような感じで使われているそうです。
総称ということは、十月桜以外にもあるということなので、調べてみましたら意外と種類がありまして。
ジュウガツザクラ、フユザクラ、シキザクラ、コフクザクラなどがあるそうです。
総称とは別に、フユザクラというのも品種としてあるので、若干ややこしい感じもしますね。
さて前置きが長くなりましたが……。
そう! 今月はまさにこの秋に咲く桜を見てきたのです。
場所はいつもお世話になっております大船フラワーセンターです。
この時期に咲くといえば十月桜がワタクシにはお馴染みなのですが、こちらはもう本当に寂静な佇まいで、冬桜はこういう雰囲気であると思ってました。
が、フラワーセンターの子福桜は、品種名から福々しい雰囲気ですが、咲き振りも華やぎを感じさせてくれます。
咲いている花の数が多いのもあるのでしょうが、花弁も多く見えるからかもしれませんね。
爛漫な雰囲気は春に譲りますが、この時期の桜の一瞬寒さ和らぐ雰囲気もなかなかの味わいがある気がします。
出掛けた日は、それなりに暖かい日でしたので、桜の後に少し休憩を入れてから園内を漫ろ歩いてみましたら。
少し早い椿が咲いている……と、思ったら山茶花でした。
確かに良くみれば、地面には花弁が散っています。椿は花ごと落ちるので、落ち着いてみれば間違いはしないのでしょう。
ワタクシの落ち着きのなさがバレるというものですね。
終盤の菊花展を横目に眺めて、さくさくと歩いていたら目に鮮やかな黄色が飛び込んできました。
花だけ見ると菊かとも思いますが、このフキに似た葉から石蕗と分かります。
ぽつりぽつりと咲いている様子を追って歩いてましたらば、圧巻の群生が。
黄の圧力というか迫力というか中々に凄い雰囲気だったのですが、案の定ワタクシの写真では伝わりがイマイチです。残念。
最後に秋薔薇を堪能しに薔薇ゾーンへ向かいました。
今年の荒天模様も乗り越えて、沢山の美しい薔薇が咲いていましたが、なかでもワタクシ的に綺麗に撮れた二品種をば。
赤黒い花弁の方がブラックバカラ、黒薔薇の代表的な品種の一つです。
淡いクリーム色は和音(わおん)という品種で、名の通りに物柔らかな雰囲気。
特にブラックバカラはワタクシとても好きな薔薇で、いつも撮るたびに己の腕の未熟さに歯噛みをしてしまうのですが、今回はギリギリ及第! と自画自賛です。
そうはいってもベルベットのような花弁の独特な美しさは撮れてはいないのですけれども。今後も精進したいところです。
そんなこんなで今回も充実したフラワーセンターデーとなりました。
そして、来月はもう師走なのだという衝撃的な事実。
衝撃に負けそうになりつつ、なんとか無事に年末を迎えたい所存であります。